Titanium Blue

わたしが今現在唯一はめている指輪ーーつまり結婚指輪ーーはチタンで出来ている。チタンはここの説明にある通り、貴金属ではない。一般的に結婚指輪と言うと金やプラチナ等になるのだろうけど、もちろんその選択肢も考えたのだけど、最終的に面白いなと思うデザインの指輪を作る彫金師の方に出会い、そしてその方がチタンを主な素材にしていたというところからチタンで、と言う事になった。

なによりも心引かれたのはその彫金師の方が染色といった手法でなくチタンを青色の金属素材として使用している、その青色だった。光の加減によって赤紫色から群青色にまで微妙に変化するチタンの青色がとても美しかったのだ。

当初は酸化鉄の赤や、酸化銅の青緑等、何か決まった色があるのかと思っていたのだが、調べてみるとそうではないらしい。酸化チタンは無色透明で日焼け止め等に使用されているようだ。それがどうして青色等とかいろがつくのかというと、こういうことらしい。とてもとてもうすいプリズムで覆われていると言うわけだ。

わたしはオーダーのときに指輪の内側だけ青色にするようにお願いした。つまりは外さないとその青色は見えないわけだ。「この指は、実はね・・・」なんて、ちょっとした話題の提供にも使わせてもらっている。